2000.07.
お客さんコーヒーお好きですか。
最近、ちゃんとミルでコーヒー豆を挽いて飲んでいるんですよ。いやね、カフェの経営者目指して云々ではなくて、とにかくそういう時間が持てることが嬉しくてね。別に仕事は暇になったとかということでもないですよ。そういう精神的な余裕が出てきたとでも言いましょうか、歳を取ったとでも言いましょうか。ちょっと前までは忙しくしていてあたり前と思っていたんですけどね。

でもたった一回しかない人生で、さほど好きでやっているとは言い切れないこと、つまり仕事とかね、それから他人様のために何かしようとかそういうことなんですけどね、そういったことに結構一所懸命やってきたんですよ。でも何か、もうそろそろいいかなあという感じなんです。つまりね、自分のために生きようかなということなんですけどね。これまで真面目にやってきて、40歳の声も聞いてしまったことだし、そろそろ不良中年にでもなってやろうかなとかね。もっと歳とったら思いきり頑固ジジイになって、周りに迷惑かけてやるんだ、なんてね。そのあとは意地悪じいさんかな。ま、そんなこと考えながら、ガリガリガリガリ、ミルを回しているんですけどね。

とにかく挽きたての豆でいれるコーヒーのおいしいこと。それにね、最近知ったんですけど、ミルクをホイップするやつを売っているんですよ。これでね、シャコシャコシャコシャコやってから飲むとね、美味いんだこれが。口あたりが全然ちがうんですよね。手軽にできるわりに、いいんですよ。一度お試しあれ。少し人生が豊かになった気分が味わえますよ。・・・気分が。
2000.08.
お客さん旅はお好きですか。
最近、旅行に行ってないなあ。まあ箱根あたりにドライブに行くのはやってますけどね。ホントに旅と言えるようなものとか、パックで行くのではない海外旅行とかってやってないですねえ。これでも結構あちこち行った方なんですよ。カナダとかやっぱり好きだなあ。まあ冬のカナダはあまりよく知りませんけど、季節のいい時に行くのなら、最高の国ですよね。都市部でも割に人が少なく感じるのに、ちょっと郊外に出ると多分半径何キロものうちに自分しか居ないんだな、という体験が出来るわけですよ。

結局人間だって他の動物と同じで、大自然の中ではチッポケな生命体に過ぎないわけで、それを身をもって実感できるんですよ。要するに自分の小ささをですよ。これは相当に楽しいんですよ。憂さなんて完全に消えますよ。ただ単純に生きているという実感だけで満たされるということは、普段はなかなか体験できないことですし、自分の存在意義みたいなものを認識できますよ。これは日本みたいな小さな国にいては絶対にできないですからねえ。

さて、その小さな国の中でも人口密度のめちゃめちゃ高い地域で生活している私は、自分の存在意義を見失うことがたまにあるわけなんだ。そこで、「いたち」にご登場願うわけなんだな。こういう小動物の面倒を見ていると、少しは自分の存在意義を具体的かつ直に感じることができるわけなのです。ただ直ぐに日々の現実に追われて、また自分を見失うわけですけどね。さてさて、旅にでたいものですな。あの空港やターミナル駅の非現実世界への入り口のような空気が恋しい、恋しい。家も好きですけどね。

2000.12.
いやあ、旅してきましたよ。先日、久々に海外に行ってきましたよ、・・・インドネシア。20世紀最後の年末に自分へのボーナスじゃないけど、今年も一年よくやった、ということでカミさんといってまいりました。まあカミさんといっしょに旅行積み立てやっているんですよ、けなげに。毎月1万円ずつ貯めているんですけど、ここしばらく忙しくて全然行けなかったんですよ。だから結構たまってましてね。せっかくだから究極の贅沢をしてしまおうか、ということになりましてね。ま。ゴン太くんはおじいちゃんちに居候ということでね。もちろん究極の贅沢ったって、時間はそんなにありませんからねえ。ホントだと一ヶ月も行ってこれれば、どんなところに泊まっていても、それだけで究極の贅沢かも知れない。でもまあ、サラリーマンですから、それも共稼ぎのね。いいんです、今できる範囲での可能な限りの贅沢ということでね。

今回の贅沢というのは、いろいろ伏線がありましてね。数年前にも同じ状況で、究極のホテルはどこだ、ということになりましてね。シンガポールのラッフルズ・ホテルだろうということで、一週間泊まって参りました。それはそれは素敵なホテルでしたよ。でもね、最近ホテル・ジャンキーの間ではランキングの上位をアマンというグループのホテルが独占しているという記事を雑誌で読んでしまったんだな。そんでもって調べたら、アマンのホテルの評判のいいこと、いいこと。アマンキラ、アマンプロ、アマンダリ、アマヌサ、アマンジヲ・・・どれも評判がいいんだ、これが。どれも30チョイの部屋数(どこも独立したコテージ・タイプですがね)に、大規模ホテル並みのスタッフ数で、ホスピタリティは最高と。一番安い部屋で一泊550米ドルとくれば悪いわきゃないでしょ。そんでもって、よっしゃ行くべとなったわけだ。どうせだからアマンのホテルに泊まり歩くツアーがあるぞというので、やってしまいましたよ。まあこの辺、後で悔やまれましたがね。

今回泊まったのが、バリ島にある3つのアマンのうち、アマンキラなんですがアマヌサにもご一泊してきましたよ。まあ何が悔やまれるって、やっぱ長期滞在型リゾートなわけよ。アマンキラというホテルは特に、空港から車で2時間くらいかかる、チャンディダサという村の近くにあって、まあ恐ろしく交通の便は悪いわけ。隠れ家的コテージというのは最近流行りのコンセプトのようでして、まあプライバシーは完璧に保たれておりました。確かにホスピタリティもこれまでに味わったことのない次元のものでした。


泊まった部屋です。

ホテルのメインプールです。

しかし世の中よくできていると言うか、まあ一週間ほどの短期間でしたが、これでよかったとも思うわけ。何せ暑いんだ。ほとんど赤道直下ですからねえ。我々のなまった体にはこたえましたよ、ちょっと。あれ以上長くいても体調をくずしてつらい思いをしただけかも知れないと考えて、まあこれでよしということでした。まあインドネシアは、私は3回目なのですが、物価は安いし食べ物はおいしいし、本当に天国のようなところです。もちろん住んでいる人々にとっては、生活厳しいでしょうからそんなことはないと言われるかもしれません。でもバリなんぞ特に信心深い人々の島ですから、もう神々の住む島と言う感じで、よそ者はお邪魔にならないように、雰囲気を楽しませていただければそれでよし、と私は考えております。ガムランの音が大好きな私は、東京音楽大学編集のバリのミュージシャン救済CD 4枚組まで購入して聞いておりますが、いろいろなダンスとか、本当に楽しめるところです。一度おためしあれ。

さて、今回の旅で私の一番の贅沢は何だったでしょう。何せ物価が安いものだから、少々豪遊しても全然こたえません。変な話ですが、一番の贅沢は準備段階で、つまり東京でのお買い物で、してしまったわけなんです。年末という冬の季節に、夏の出で立ちを整えるのには結構骨が折れました。なかでも、トラベラーズ・ベストとサンダル、この2つには苦労させられました。ポッケのいっぱいついたベストは何とか東急ハンズでゲットしましたが、サンダルがねえ・・・。

結局ろくなものがどこにもなく、神田のスポーツ用品店を片っ端からあたって、それでもなくて半分諦めかけていたときに、ヴィクトリアの並びの平和堂という老舗の靴屋にダメもとで入って訊いたら「あるけど高いよ」と抜かすんだな、これが。出せと思わず言ってしまってから値段を知った私もバカですが、なんと25,000円!!!サンダルがだよ・・・。でもね、履いてみて納得。買ってしまいましたよ。MEPHISTO というおフランスのサンダルなんですが、この履き心地がもう最高!靴擦れなんてものにはまったく縁のない世界の履き心地なんだ、これが。一度どこかで試してごらんなさい。納得するから。
2002.07.
もひとつ、旅いってきました。今度はタイです。同じくアマン系列の一番最初のホテル、アマンプリに滞在して参りました。どうも季節外れだったようで、あちこち改修工事とかやっていたり、周辺の道路工事も一杯あっていまいちでしたけど、まあそこはアマン、さすがに満足はさせてくれました。

移動はすべてVOLVOのワゴンだし、完璧プライベートビーチだし。最高でしたね。だた現地であろうことか、わたくしメが体調を崩してしまいまして、カミサンには多大なるご迷惑をおかけしてしまったんです。せっかくツアーに付いていたクルージングはパア。キャンセルの電話かけさせられるわ、それは大変でございました。まあ念願の海中散歩はやってきましたがね。しかしすごいわ、アマン。各ヴィラ(コテージタイプの独立したお部屋ね)にプールもついているは、リビングは別棟であるわ。贅を尽くしておりました。うちらが泊まったとこ、プール2つだもんね。さらにレストランとかの近くにメインプールはあるし、民族音楽は聴きにいかなくても、食事の時間になると呼び寄せて演奏させちゃうし・・・。非日常のテイストを味わうのにアマンは最高でしたね。

ホテルのメインプールです。

街には少し出ましたけど、いまいちだったなあ。ちょっと危ない雰囲気でカミサン連れてじゃのんびりできない感じでしたね。相変わらず日本人の常で、おみやげ一杯買い込んできたけど、今回はスーパーマーケットに行って、現地の方々が使っているような小袋や小瓶の食材をたくさん買ってまいりました。どれもこれも、激辛っぽいのやココナッツミルクっぽいのやら、アジアンテイスト一杯で面白かったでっせ。

民族音楽のCDが手に入らなかったのは少々残念でしたが、まあ満足して参りました。たまにこれやらないとね、ストレス溜まっちゃうからね。別に毎年ってわけではないですが、まあ2・3年に一回くらい行きたいなあ。